盲ろう障害がある方のためのパソコン環境配慮
日時 | 2003年11月30日 |
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場所 | 浜松ザザシティ中央館パレット会議室 |
講師 | 焼津 盲ろう者友の会 牧田紀子 先生 |
教え方について
盲ろう者には手話・点字・手のひら文字・筆記通訳などの個別のコミュニケーション手段がある。それらを通じてパソコン指導してゆくわけだが、この手段を確保するための盲ろう者への通訳派遣制度ができている。これを使ってマンツーマンで教えることがよいと考える。
自分は半年くらいの間、指点字でマンツーマン体制でみっちり教えてもらうことができたし、周囲にパソコンに詳しい方がおられて質問することもできた。その自分の目標というのは第一にメールであったが、マニュアル片手の独学ではなかなか身に付きづらかった。
設定などの細かいことは先生に行っていただいた。そして次回までに「これができるようになる」という宿題と、講習の時には必ず前回の復習を行うことが大事だと考える。
機器について
ピンディスプレイはメモリーを多く使うのでパソコン選定時には注意が必要。
支援費制度については、パソコン本体は自己負担、ソフトなど補助・助成を受けられることがある。ピンディスプレイ専用の助成金もある。
OSはWindowsが主流だが、自分はDOSの方が使いやすくいまだにDOSである。Windowsでは6点入力を完全にピンディスプレイに出力することができないのである。自宅でのPC構成は以下のとおり。
本体
PC9821 MS-DOS 2台
1台はワープロ、BASE、印刷用、もう一台はインターネットとメール用。
ソフト
- ワープロソフト=でんぴつ(文字の拡大ができる
- 点字エディタ=ブレイルスター3
- ニューブレイル=点字入力ソフト
- ATOK9=日本語変換
- VDM(100?)=音声器ソフト
- エキストラ(テキスト→点字変換ソフト)ただし分かち書きは完全ではないが十分。
- WMAIL=通信ソフト
以前はWTERMだったが、メールの添付ファイルが文字化けするのでWMAILに変えた。 - ニューバインディングシステム=ソフト統合化ソフト
メニュー選択だけでソフトを起動できるようにしてくれる。キーボードからのコマンド入力がなくなるのでとても気持ちが楽になる。
ピンディスプレイ
ブレイルノート46X 単品で電子手帳の機能あり(46C/Dではこの機能無し)
この機器は単独で点字文書編集や時計やカレンダーも持っておりスケジュールを組むこともできる。
サポート体制について
講習の先生は携帯を使って他のサポーターと情報交換しながらサポートしていたし、トラブル時には「決して触らないで」というアドバイスを受けていた。結局PCと仲良くなるには相応の時間がかかり、先生の指導に食い下がって質問し、家族の協力、電話・ファックスあらゆる手段で指導を得るようにした。
一般的に
コミュニケーションが大きな壁になるので 手をとって教えるのが(通信手段を使うよりも)身に付くと考える。しかし中にはマニュアル片手に自分でパソコンのすべての設定を行ってしまうような方もおられる。また盲ろう者といっても拡大画面を見る人が多く、ピンディスプレイは少数派ではある。
質疑応答
(ピンディスプレイの実演をかねて、質問をPCにタイプし、それを読んで牧田先生が答えるという形で行った)
Q. DOSアプリは古いので、続々出てくる新しい製品に取り残されるのではないか?入手が困難ではないか?
A. 障害者同士のネットワークの中でソフトに関する情報はやり取りしている。
Q. (実際にTXT→ピンディスプレイに表示するまでのデータの流れに関するやり取り)