わかものたちからの提言・メッセージ 2003
「わかものたちの多文化共生 全国交流会2003」全体会(2004年3月開催)では、わかものたち25名がそれぞれ意見を出し合い、後輩たち、外国人社会、日本社会、学校、行政へむけた提言、メッセージをまとめました。率直なわかものたちの意見です。
提言・メッセージ
後輩たちへ…外国から来た子どもたちへ
諦めないで頑張って
- 「自分は外国人だから……」と逃げず、何事もあきらめないで、未来のためにがんばって。
- 最初は辛いかもしれないけど、学校へ行った方が絶対いいと思う。
- 目標を定めて、それに向けてがんばれ!夢をもって! 「自分を信じて前に進め!!」「為せば為る」」
- 「ふつう」って言葉はきらいになれ。
- 仕事のためにだけ勉強をするためにあるとは思えない。どちらかと言えば「納得いく生きかた」につながるような感じが強いので、勉強をあきらめないでください。
- まじめに学校へ通ってほしい。学校生活を楽しんで欲しい。今を大切に。
- 自分の可能性を信じて。
チャンスを生かして
- ものは考えよう。ちょっと考え方を変えたら、マイナスなこともプラスになるかも。
- チャンスは自分でつかむもの。本当にやりたいことだったら、死にものぐるいでつかみとれ!
- 自国を誇りに思い、自国の文化を大切にしながら、チャンスを与えている日本を愛するように!
- 自分にもっと自信をもってもいいよ。2つ、3つの文化をもっていることはこれからお得と思って。
周囲の人と
- 何でも、ギブアンドテイク! 「欲しい」ばっかりでは誰もくれない。外国人として、何ができるかという自信をもってほしい。たくさんいるからって甘えていてはだめ。
- わからないことは、先生や友達にすぐ聞いて!!
- 難しいけど、母国、日本両方のコミュニティで、自分の味方になってくれる人を見つけ、大切にして。
- 両親、先生や周りの責任にしないで、自分で自分の明日を考えて行こう。
外国人社会へ… 同胞の外国人たちへ
あるべき姿勢
- ただでさえ戦争で外国人の印象が悪いのに、日本で事件を起こしてさらに印象を悪くしないでほしい。
- ラテンアメリカの人に! 日本人にもっと良く思われるようにがんばりましょう!!
- 今、日本に住んでいるので、ペルーやブラジルでやっていたことでも、日本で許されていなかったらしないで下さい。
- 悪口を言う前に、自分がいやな気持ちだった時を、思い出してほしい。
- 地域ごとにボランティアとして支援してくれる団体が増えてきたけど、そこに頼りきるのではなく、自分のこと自分で考え、動こう。日本人、日本社会を頼るだけでなく、自分たちで力を合わせて現状を変えていきましょう。
- みんな仲間さー!! 協力しましょう! がんばろうじゃないか。みんなファイト?!
- 「勉強」は大人たちも続けていくべきです。
- 自分が強くならなきゃ何もはじまらないぞ。甘えるな!!
- 皆、同じ苦労をしているのでお互い協力しながら日本での生活を楽しくしましょう!
- 模範になれ! 日本に来たばっかりの人を助けて支えてほしい!
- 大学、高校を卒業して、いい仕事についている人もいるのでがんばりましょう。
- 出稼ぎのことばかり考えるな。
日本社会との交流
- サークルがあること自体をあたりまえに考えず、彼らと交流を目指そう。
- 交流とは自然にできるもの。それを忘れずに交流を目指しましょう。
- 日本のコミュニティで、何かを要望する時、そこでの信用が必要になるので、大変だけど地域とのかかわりをもとう。
- 日本の文化にふれあうようにしましょう!
親たちへ
- 親は子供を甘やかして、ダメにしてしまう。親がもっとしっかりするべき。
- 親は子供を支え、「がんばりんね」と力を与えるべし!
- 両親達へ教育意識を高めてほしい。勉強だけでは無く考える能力を与えよう。
- 給食が食べられなかったから、弁当を持たせてほしかった。
日本社会へ
平等への願い
- 日本人と外国人は一緒です。社会に出たら同じチャンスを作ってほしい。
- 税金を払っているから、すべて平等に。
- 外国人への固定観念を捨てて。外国人やアイヌ民族に対しての差別はやめてほしい。
- 外人だからといって差別的な目で見ないで、その人自身を見てほしい。
- 店に入るとずっと目を付けられてしまい、とても買う気がなくなる。外国人の犯罪者もいるけれど、みんなが同じではない。外国人をもっと信用してほしい。
- 世界中そうだと思うが、どこでも良い人もいれば悪い人もいることを理解して下さい。話す言葉や肌の色が異なっても、皆は同じ人間であることを忘れないで。
- 会社員の両親は、日本人と同様ボーナスをもらえるように。
- 食わず嫌いをなくしましょう。言葉ができなくても、積極的に接触してほしい。
- 外国人を社会のマイナス要素ではなく、プラス要素として考え方を変えてほしい。
- わたしたちは自由がほしい。自由をうばうな。みんな同じ人間だから。
その他
- ただでさえストレスがたまる状態だから、誰かにそれをわかってほしい。
- 日本にはいろんな国の人が多く住み、会社や学校に通っていることを、より多くの人に知ってほしい。
- もっと外国人と日本人がふれあえる、イベントなどの場をふやしてほしい。
- もっと開かれた国になってほしい。もっと広い視野を持って。
- 発展途上国にもっと目を向けてほしい。
- アメリカの言いなりになるな! アメリカがすべてではない。
- 日本人は、みんな海外に一度でも行けー!
- 変わることは間違ったことではない。ずっと昔の方針で生きていたら、国はいつまでも前進しない。
- 変わることを恐れるな! 希望を失うな。
- もっと教育に力を入れろ!
- 自分の国の文化を大事にして!
学校へ
進路情報
- 奨学金制度を充実してほしい。
- 奨学金や進路情報を増やし、もっと詳しく説明してほしい。
- 進路の情報、大切なプリントや学校から家への手紙を、ポルトガル語やスペイン語に訳してほしい。
- 進路指導説明会は中味をしっかり伝えて欲しい。「頑張ればできる」の言葉だけで片付けないで。
- 中学から高校へ進むとき、その間の受け皿機関が欲しい。学校内に作れないなら、学校はその機関を紹介する体制を整えてほしい。
クラス
- 外国籍の生徒を一つのクラスにまとめないでほしい。バラバラの方が日本人の友達もつくりやすい。
- 国際化社会といわれている今、様々な国の人たちが学校の中にいとを大変とかマイナスでなくて、プラスにとってほしい。
- 国際学級だけでなく、学校でもっと国際理解の勉強をし、日本人の生徒も国際人を目指して欲しい。
態度、コミュニケーション
- 日本人の生徒や、学校の先生は、外国人生徒の可能性を信じてほしい。
- 外国から来ている人達の気持ちを理解してほしい。
- 言葉が通じない、外国人だからって特別扱いしないで、話をして相手の事を少しでも理解してほしい。
- 市と県の教育委員会に働いている人たちにアドバイスしてほしい。
- 勉強したい子はたくさんいるので、もっと高校に入りやすくしてほしい。
- 小学校・中学校で、取りだし授業や国際教室をもっと効率的に使用してほしい。
- 学校で子どものためのカウセリングがあった方がいい。
- できなかったことをできるようになった時、ほめてほしい。ほめることで成長させる。
- しゃべり場をつくる。
- 自由にしてほしい。
- 先生たちの情報交換をもっとスムーズにしてほしい。
言葉
- もっと通訳を増やしてほしい。
- ブラジル人やペルー人の先生を1人は雇ってほしい。
- 学校に必要な各言語の本を置いてほしい。
- 日本語の先生もっと増やしてほしい。
- 日本の学校のルールは時代遅れだから、見直して欲しい。
行政へ
教育制度
- 大学に行く時、留学生扱いになるような制度がほしい。
- 外国人も義務教育を受けたい。高校まで義務教育にしてほしい。
- 入試の時、外国人を入りやすくしてほしい。勉強したい子にチャンスを与えてほしい。
- 入試における外国人枠の条件の訂正。在日期間等を考えて、もっと明確に。
- 日本の教育制度や入学手続き等について母国語で情報がほしい。
- 歳で学年を決まる制度を変えてほしい。
- 授業を短縮してほしい。
先生
- 教育委員会に当事者の先生をもっと入れてほしい。→フィルドワークを通した対策がでてくる。
- 先生は、少しぐらい私たちの文化や歴史を勉強してほしい。
- 教育委員会で働いている人たちが、異文化に対し壁をつくらないでほしい。
その他
- 外国人も日本国の一人の市民(住民)であるという自覚を深めてほしい。深めるためのシステムを強化してほしい。
- 外国人用に子供や両親を導く学習カウセリングが必要。
- それぞれの問題に対して、エキスパートを採用してほしい。
- 通訳ボランティアを増やしてほしい。特に市役所には、ポルトガル語ができるブラジル人が一人しかいないので、増やした方がいいと思う。
- 地域と地域の連携をはかる主導者になって欲しい。