2014年度 事業報告
1.NPO支援事業(中間支援組織機能強化事業)
(1)共同事務所運営
1)会議室貸し出し(今年は使用者なし)
2)事務機器貸出 コピー機、輪転機、プロジェクター、iPad ほか
3)事務局代行 4団体:(特)浜松城北体操クラブ、浜松環境ネットワーク、(特)フィリピノナガイサ、未来に広がるネットワークin浜松 郵便物等の収集・保管など
4)交流コーナー 他団体のチラシ・ニュースレター等の展示、助成金・出版物等の紹介
(2)啓発
1)NPOプレゼント講座 in 西遠(7年目) 【静岡県労働者福祉基金協会 委託】
地域のさまざまな課題を解決するために、NPO、地縁組織、議員と共に課題を共有し、解決の糸口を探る「地域円卓会議」を2013年に引き続いて2回、会計講座を1回開催。
(1)「西遠地域NPOによるCEO会議2014 ~委託・協働の課題を語ろう~」
日時:10/4(土)13時半~16時半 場所:浜松市福祉交流センター
参加者:12法人からCEO15名、任意団体、市職員、市議会議員 計21
内容:「委託・協働」における行政・NPOの役割を見直しつつ、NPOならではの関わり方、改善点を探った。NPOの事業評価、信頼向上、公助と共助、協働のルールづくり、公的予算のチェックなどが話題になった。
(2)「議員と語ろうNPOの円卓会議2014 ~議会のパートナーとして提案しよう~」
日時:11/1(土)13時半~16時半 場所:浜松市福祉交流センター
コーディネーター:日詰一幸(静岡大学人文社会学部教授)
参加者:NPO関係者16名、議員5名、行政職員3名 計24名
内容:新しい公共の担い手としてのNPOが現場の声を政策に反映させるために、5月にできたばかりの「議会基本条例」を読み解きながら、現場をもつNPOと議員の協働の可能性について意見交換を行った。
(3)「NPO会計入門 & 会計ソフト講座」
日時:3/1(日)13時半~16時半 場所:浜松市福祉交流センター
講師:中尾さゆり(ボランタリーネイバーズ、NPO会計税務専門家ネットワーク、税理士)
井ノ上美津恵(浜松NPOネットワークセンター代表理事、NPO法人会計基準協議会
参加者:NPO法人20名、その他3名 計23名
内容:前半はNPO法人会計基準について、その考え方、見せ方をわかりやすく説明。後半はPCで会計ソフト「会計王15 NPO法人スタイル」を使い、初期設定や入力、集計操作を実地で体験した。
<成果> 浜松市内のNPO法人も300を超え、全て団体のニーズを満たすことは難しい。幅広い交流や初心者向けのセミナーは公設の市民活動支援センターでも行っているので、関心のあるNPOと課題を掘り下げる戦略をとった。2014年度はIIHOE主催「全国協働環境調査」に参加したこととから、「委託・協働」をテーマに設定。参加者数は前年比で減少したが、少数精鋭で課題の整理・共有ができた。「議員との円卓会議」の参加2団体が、市議や県議とNPOの意見交換会を開くといった波及効果もあった。
1、2の会議は協力団体と準備会を開いて内容を練ったが、今後は「NPO協議会」のような連合体に発展させて、NPOの信頼性と地位向上のためにNPOや行政に働きかけていこう、という動きが生まれつつある。
2)第5回 全国協働調査報告会&協働力パワーアップセミナー in浜松
日時:11/28(金)18時~21時 場所:浜松市福祉交流センター
講師:川北秀人(IIHOE)、渡邊仁(浜松市市民協働・地域政策課)、井ノ上美津恵(N-Pocket)
参加者:NPO関係者17名、浜松市、磐田市、掛川市、静岡県の職員7名、その他 計29名
全国の協働事業の採択、事業、評価、そのプロセスや市民参加、情報公開の度合いについて紹介。浜松市の協働環境はほぼ全国平均を上回ったが、プロセスの開示は市のWebサイトのリニューアルに伴って情報がなくなり、ポイントが下がった。
3)NPO法人会計基準の普及促進
・NPO会計相談
・ソリマチ会計ソフト等の販売 会計王NPO法人スタイル 3本
・NPOプレゼント講座において「NPO会計入門&会計ソフト講座」を開催(再掲)
(3)情報収集提供
1)ニュースレターの発行(季刊)
4月、7月、11月、1月に発行。会員、関係団体など毎回約200部を送付。各8ページ。
2)ホームページやメールによる情報発信
・会員メーリングリスト 助成金やイベント情報を提供。また会員相互の情報共有を図った。
・ブログ「ぽけっとのなかみ」 67件エントリ(前年比-20%)、1年で11,490アクセス(前年比-27%)。
ニュース、イベント案内・報告、助成金情報、今日の事務局ほか。(2014/5/1 37,452→2015/5/7 48,942)
・Twitter @N_Pocket (カウンターの不具合でツイート数不明、5/7現在3323)、フォロワー471(前年比+107)
3)N-Pocketサロン
5/11(日)「生活クラブ生協 おためしワゴン」(総会と同時開催)
参加者16名 協力:生活クラブ生協・浜松 会場:あいホール
7/5(土)「ブラジル一ヶ月放浪記報告会」
参加者12名 話題提供:小林芽里 会場:コミュニティカフェ・チャンプル
1/17(日)新年サロン「世界の食卓から考える」
参加者21名 ファシリテーター:小林芽里 会場:西部協働センター
4)取材・視察・相談
マスコミ、市民団体、学校・大学、行政等に有料(3000円/1h~)で対応。
視察対応、電話相談、メール相談、来訪相談など
5)講演・原稿・掲載依頼
講師依頼 13回(中間支援1、多文化3、JC:大学4、特別支援学校1、セミナー1、環境2、 ICT 1)
新聞・雑誌掲載 3回(JC:静岡9/2、JC養成講座:中日・静岡9/21)
6)全国会議等への出席、連携、協力
・浜松市男女共同参画推進センター・あいゆうねっと
・(公財)静岡県労働者福祉基金協会「NPOパートナー委員会」(静岡)委員
・ふじのくに西部「西部地域市民活動ネットワーク研究会」
・日本NPOセンター「民間NPO支援センター・将来を展望する会(CEO会議)」
・NPO法人会計基準協議会
・IIHOE「第5回 都道府県・主要市におけるNPOとの協働環境に関する調査」
(4)地域資源調査・開拓
1)自立した市民になるための「依存力」を支える各種情報サイトの強化 【損保ジャパン記念財団】
Webサイト「ニーズのある子ども・育ち応援マップ」「はままつ市民の力きらきらBOX」
「静岡県西部 外国ルーツの子どものための教育支援情報倉庫」を更新
(5)提言
1)浜松市、静岡県、国に委嘱された委員 (2014年4月~2015年3月)
井ノ上美津恵:浜松市みんなのはままつ創造プロジェクト審査委員
大野木里美:浜松市ユニバーサルデザイン審議会
小林芽里:浜松市環境審議会、浜松市環境審議会環境影響評価部会、浜松市土地利用審査会
山野由香:浜松市中区障害者自立支援連絡会、西遠地区就業促進協議会
2)具体的な意見書の提出など
パブリックコメント:浜松市議会基本条例、浜松市新・総合計画 2件
2.多様な人々の社会参加支援
(1)障害のある人
1)障害者職場定着支援事業(14年目)【静岡県経済産業部就業支援局雇用推進課】
①ジョブコーチ派遣 支援対象者304人 派遣件数3,561人日
◇職場定着支援(従来のジョブコーチ業務) 263人 3375人日
◇雇用アドバイス支援(アドバイザー業務) 81事業所 186人日 41人雇用
②ジョブコーチスキルアップ研修 10回
支援者のためのSST体験、コミュニケーションスキル研修、発達障害当事者および高次脳機能障害当事者団体の講演、静岡県ジョブコーチ支援のケース検討など多方面からジョブコーチの資質の向上を図る講座を富士、静岡、藤枝、磐田、浜松の県内5箇所で計10回開催。
③障害者職場定着支援者養成研修(今年度より県委託事業に含む)
静岡県ジョブコーチ希望者および施設、企業などの支援者向け研修
開催日:9/19・20・26・27、10/3 会場:浜松市福祉交流センター
受講生69名のうち、全講座の8割の時間数を受講した45名に修了証書を発行。
2)障害者職業センタージョブコーチ事業(第1号障害者職場適応援助者助成金事業)(12年目)【独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構】
職業センターとの連携の下に実施するジョブコーチ支援事業(ジョブコーチ1名)
3)ジョブコーチ現場実習(自主事業)
障害者職場定着支援者養成研修修了生のうち、静岡1名登録、中遠1名、浜松3名が実習中
4)静岡県ジョブコーチ アドバイザリーボード(自主事業)(1年目)
障害者の雇用促進に関する法制度の改正、それに伴う障害の多様化、障害者雇用に関するニーズ等が新しい時期を迎えている中、14年目となる静岡県ジョブコーチの活動も時代に即した新たな一歩を踏み出すため、外部の専門家から多くの意見を伺った。11月と3月に2回開催。
委員は、委員長に小出隆司氏(全国手をつなぐ育成会連合会副会長)、以下、福祉系大学助教、特別支援学校長、弁護士、社会保険労務士、障害者雇用コンサルタントなど9名。
5)相談事業
来訪者、電話相談など随時受け付け対応した。(そのうち、報告書が作成された対象者17人。)
6)関係団体とのネットワーク
障害者の就労に関わる労働行政、福祉行政、学校、施設、事業所、家族などと連携をとりながら支援を行ない、障害のある人の雇用の促進、定着につなげることができた。
(2)ITによる社会参加
1)静岡県西部障害者マルチメディア情報センター(ICTバリアフリーオアシス)の管理・運営【静岡県健康福祉部 委託】
・来場者数 1,775名(述べ) 障害者76%、付添ボランティア24%
・オアシスの管理・運営 ザザシティ中央館4F、火・木・金・土(10:00~18:00)
・オアシスのホームページ管理
・自主企画
-ミニ講座:視覚、知的、四肢ほか、様々な障害の方が利用。
(各人の希望に合わせてスタッフが指導)
-年賀状講座 3名
-天竜中学校1年生総合学習受け入れ
-ボランティアネットMLの運営管理(オアシスに参加した人々と情報共有)89名
-Twitter、Facebookにて情報発信
・ボランティア他団体との連携
-しずおかパソコンボランティアねっと西部とiPad読み上げ機能(VoiceOver)を使って視覚障害者支援のための講座開催
<成果>
・事業費削減に伴い開所日数・時間が減少したが、1時間当たりの平均来場者数は1.2名と増加した。
・また、4名のスタッフがワークシェアリングしながら活動することによって、それぞれの専門性をセンター運営に生かすことが可能となった。
・静岡視覚特別支援学校より、視覚障害者就労について相談を受けたり、掛川市議が掛川市の障害者就労に向けてセンターを視察したりと、ITを利用した障害者就労に大きな役割を果たした。
・スーダン人の視覚障害者への音声ソフト操作支援
・コミュニケーション支援アプリの開発協力
2)オアシス委員会
3回開催(1回はSkype会議)。それぞれの分野からの情報提供、センター運営に関してのアドバイス。
構成委員(ボランティアとして協力):市川健悟(浜松市視覚障害者福祉協会)、平井明樹夫(しずおかパソコンボランティアねっと西部)、谷川憲司(静岡文化芸術大学)、和久田学(大阪大学大学院 連合小児発達学研究科 子どもの発達科学研究所浜松)、榊原正一(静岡県立視覚特別支援学校)、大野木里美(バーチャル工房事業コーディネーター)、井ノ上美津恵(N-Pocket代表理事)、島田江津子(オアシス事業コーディネーター)、及び静岡県健康福祉部事業担当者
3)オアシスボランティアスタッフ会議
毎月開催 スタッフ4名+事務局スタッフ
互いのスキルをさらに高めるための学習会を実施しながら、センター運営に関わる情報交換会を行っている。アプリ開発者にアプリが障害者にとって有意義である事、また要望を直接伝えることもできた。
4)西部地域障害者在宅パソコン講習 【静岡県健康福祉部 委託】
254時間+7時間(追加)、受講申込み35件(視覚14、視覚肢体重複2、肢体15、聴覚2、内部2)、講師実働9名
Skype、Heartyladder、点字図書館からの点訳・音訳図書ダウンロード操作、Facebook、iPadやiPhoneなどを利用したコミュニケーション講座
5)障害者福祉施設内でのパソコン講座 【浜松市福祉事業団】
地域活動支援センター「オルゴール」でひと月4講座(4,5月は3講座)。延べ受講者数313人、ボランティアのべ120名
人気のある講座で受講者が多いため、6月から講座を増設。重度の身体障害者もいるため、アシスタントが一人ずつ付かなければならない人もいる。
6)市民活動体験受入 特別支援学校児童生徒および保護者向け講座の実施と交流【浜松市+事業収益】
特別支援学校保護者向け講座開催の必要性を理解し、講座開催を体験する。特別支援学校児童生徒とのICTを含む交流体験。中学生5名、特別支援学校保護者8名、児童生徒6名参加
7)ぽけっと工房(9年目) 【自主事業】
登録テレワーカー数18名(四肢8、視覚3、知的1、内部1、精神3、聴覚2)。内、新規は1名
・テレワーカーの交流会「ぽけみん」7月6日開催。テレワーカー8名、家族2名、サポーター2名参加。
テーマは「差別とは」。自分が受けた差別体験から始まり、障害者差別解消法の概要を学び、声を上げることの重要性を確認した。
・受注実績55件(データ入力、テープ起こし、Webページメンテナンス、印刷等)。
発注者は、浜松市、大学、民間企業、任意団体、個人など。
<成果>
完全自主事業としての活動の1年目。従来の顧客からの仕事を継続的に受注したが、コーディネーター人材の不足等により、特に新たな顧客獲得や新規事業を受ける積極的な動きには至らなかった。一方でテレワーカー各人それぞれの社会参加や収入への期待等のニーズは、相変わらず強くあることは実感している。登録者のうち、ジョブコーチ事業担当者と連携して複合的な就労支援により間接的ではあるが就職に至った事例は2件あった。
(3)多文化共生(在住外国人との共生)
1)「高校進学ガイドブック 静岡県版 2015」の作成(10年目) 【三井物産寄付】
静岡県教委、静岡県私学振興課の協力で、やさしい日本語(ルビつき)、ポルトガル語、スペイン語、英語、タガログ語、中国語の6言語で作成。静岡県の高校進学パンフレットに多言語ガイドブックの紹介を掲載。
新制度「高等学校就学支援金」のわかりやすい説明を加筆した。 guidebook.n-pocket.com
2)情報収集発信
多言語Webサイト「外国ルーツの子どものための教育支援情報倉庫」 www.tabunka.n-pocket.com
高校進学情報、支援情報、支援団体・教材リンクなどを更新。(再掲)
相談対応ほか。
(4)子ども・わかもの
1)静岡大学教育学部附属浜松中学校
総合的学習「ライフタイム」との連携。中3生が8月に4名、10月に2名が訪問、環境活動についてヒアリング。2月に4名が報告に来所。
2)未来に広がるネットワーク in 浜松
2013年度に参画した「子どもを守る文化会議 in 浜松」でつながった参加者たちに呼びかけ、わかものと大人たちの世代ギャップを楽しむコミュカフェ会議の開催をサポートした。(事務局代行・再掲)
(5)環境・地域の自立
1)SAVE JAPANプロジェクト(3年目) 【日本NPOセンター委託】
ジャパン・日本興亜損保、日本NPOセンター、中間支援NPO、環境団体の5者の協働事業
47都道府県で展開する希少生物・生物多様性保全の普及啓発プログラムの静岡県を担当。
(1)NPO法人「里の楽校」と藤枝市の小田野沢ビオトープで2回開催 <2年目>
5/25(土)「小田野沢にはどんな生き物がいるのかな!?」 41名(子ども19、大人10、学生12)
11/16(日)「里山の生き物たちと触れ合おう♪」 9名(子ども8、大人1)
(2)NPO法人「縄文楽校」と浜松市浜北区、北区で2回開催 <1年目>
7/26(土)「里山のいのちのつながりを学ぼう」 43名(大人15、子ども16、スタッフ・講師12)
9/6(土)「いにしえからの草花を愛で、お月見を楽しもう」 75名(大人43、子ども13、スタッフ・講師19)
<成果> 生き物を見せるだけでなく、一般の参加者を巻き込み、実施団体の支援にもつながるように企画した。「縄文楽校」との協働では、プログラムの企画から関わり、参加者と地域の自然保護について未来を考える「場」をつくることができた。また、このイベントをきっかけに、議員や地域の関係者と保全について提言をつくっていくことに繋がったと報告があった。
2)防災・災害ボランティアのネットワークづくり(3年目)
浜松市社協、災害ボランティアコーディネーター、浜北JC、NPOなどからなる、浜松市災害支援団体ネットワーク「にもネット」に参加。7月と12月にネットワーク会議を浜松で開催。
3/7-8「静岡県内外の災害ボランティアによる救援活動のための図上訓練」に参加。
3.組織の管理運営
1)事務局会議
2014年度は、事務局に勤務する全スタッフによる事務局会議を毎週水曜10:30~12:00で、49回行った。内容は各事業担当者から1週間の進捗報告と予定、事務局より事務連絡、組織運営のための相談・協議を行っており、実際に活動を進める際の情報共有と決定の場となっている。
2014年4月2日に開かれた会議は、設立後に開催した事務局会議として通算732回目であった。
2)理事会
2014年度は4回の理事会を開催し、事業運営、組織運営に関わる協議を行った。
5/11(土)12:15~13:30 理事5名、監事1名、その他3名
6/5(木)10:00~10:15 理事7名
12/9(火)18:40~20:30 理事6名、監事1名、その他1名
3/31(日)18:40~20:50 理事7名、顧問1名、その他1名
3)総会
5/11(日)14:30~16:00 浜松市あいホール 203号室
参加者:正会員20名+委任状提出者13名(正会員総数54)、賛助会員1名、その他1名
同時開催:N-Pocketサロン「生活クラブ生協 おためしワゴン」(再掲)
4)認定NPO法人の申請
3/6に仮認定NPO法人の申請書を浜松市に提出した。