■2001年度〜
ジョブコーチによる就労支援・雇用支援
障害があっても、その人のもつ能力が十分に発揮されれば、企業の中でも職域が確保でき、継続就労につながります。
企業にとっても、障害者の雇用管理上、障害をもつ職員を継続雇用するために克服すべき壁が何かを正確に見極める必要があります。これらの課題を解決するためにジョブコーチによる人的支援が必要となることがあります。
ジョブコーチ(障害者職場適応援助者)とは
視覚障害を持つ人が一人で社会へ出る時には白杖や点字ブロックがあります。知的障害や精神障害のある人たが社会参加するためにはどんな助けが必要でしょうか?
多くの場合、コミュニケーションをサポートする力が求められます。すなわちそれは人的な支えです。障害のある人が就労するうえで大切なことは仕事をすることばかりではありません。もちろんそれも重要なことです。しかし、継続的な雇用を果たすためには周りの人から理解を得ることが最も重要な意味を持ちます。重度の障害を持っていても、だれかの支えがあれば働ける人はたくさんいます。
そんな障害を持つ人たちの社会参加を人的支援によって応援するのがジョブコーチです。
そのために、ジョブコーチは、障害のある人が、職場で困ることなく働き続けることができるようアドバイスしたり、事業主や職場の仲間などに対しても課題解決のための必要な情報提供や職場環境の改善を提案します。
静岡県内で利用できるジョブコーチ(職場適応援助者)の派遣制度
静岡県内で公的に行なわれているジョブコーチ派遣は、静岡県経済産業部就業支援局雇用推進課から浜松NPOネットワークセンターが受託して行なっている静岡県ジョブコーチ(県ジョブ)と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構により各地域の職業センターがとりまとめる職場適応援助者(国ジョブ)の2種類があります。
静岡県ジョブコーチを利用したい場合に
当法人は、障害のある人から直接、または障害のある人を雇用する事業所や、福祉施設やハローワーク、学校などからの要請をうけ、ジョブコーチを派遣しています。静岡県事業ですので、利用については無料です。
県内には、50名を超える静岡県ジョブコーチがおり、県下7か所の拠点(しずおか障害者就労支援ネットワーク)に所属して活動していますので、地域事情に明るく機動力があることが強みになっています。
静岡県ジョブコーチの養成について
静岡県ジョブコーチの制度は、2001年度その養成をすることから始まりました。2年間県の委託として行われた後は、浜松NPOネットワークセンターやしずおか障害者就労支援ネットワークが自主事業として行ってきましたが、2014年度から再び県から委託を受けて行っています。
N-pocketのジョブコーチ事業の歩み
1986年にアメリカで始まった援助つき雇用制度の考え方が日本に導入され、静岡県では2001年度にジョブコーチの養成がスタートしました。2003年度から本格的に静岡県ジョブコーチの派遣が開始されました。
一方、2002年度には、国の制度として協力機関型ジョブコーチ事業も導入され、第1号職場適応援助者としてN-Pocketスタッフ2名も国ジョブとしての活動をはじめました。