安間川河川整備構想策定事業
2001年、静岡県浜松土木事務所から「安間川 河川整備計画」の基礎となる「安間川 河川整備構想」を行政に代わって取りまとめる事業のコーディネーターが一般公募されました。
N-Pocketは「川を生活環境の一部として愉しむ人々を育みささえるしくみを創造する」を事業方針として、公開プロポーザル(公募による事業提案型競争入札)に臨み、応募10社の中から、提案書と15分間のプレゼンテーションの審査の結果、地域活動などの事情に詳しく、意見集約の過程が住民に判りやすい企画だったことが選考の決め手となり、この事業にかかわることになりました。
「河川整備構想 市民原案」はこうしてできた!
河川整備構想の作成にあたっては、水害対策としての河川改修にとどまることなく、川を生活環境の一部として楽しむ人々を育み、支えるしくみを想像することを目標としました。
その方法として、
- 現況調査(ヒアリング、文献資料)
- イベントによる啓発活動(安間川を楽しもう 水辺の体験プログラム、住民説明・交流の会、ワークショップ、地球ボール、取材劇、スライドショーによる出前講座)
- コンセンサス会議
これら3本立てで、情報収集、情報公開、議論を積み重ねる形で意見集約を深め、
- 水辺に暮らす豊かさを地域住民が認識する
- 水辺をどのように豊かに整備してより良い暮らしを享受するか
- 危険を回避するために流域の住民にはどんな選択肢があるのか
など、現在の状況とさまざまな可能性を、住民も参加しながら考えていく手法を採用しました。
また、住民の意見に加え、河川工学、環境科学、郷土歴史家など専門家の意見もうかがいました。
そして、このようなプロセスを経て、2002年4月、「安間川河川整備構想 市民原案」を取りまとめました。
この事業にとりくむにあたって、常に、住民参画・協働事業という大事なテーマから軌道をはずさないようにしましたが、
- プロセスの共有 → 現場で事実を確認、住民の意識変革
- 情報の共有 → 各種行政機関の連携の実現(施策の総合化)、住民の経験が行政の情報を補完、合理的で公平な判断 → 整備計画に反映
- 役割の明確化 → 行政の責任・地域住民の責任、床上浸水は100%防止、床下浸水は許容
- 治水事業に反映→先駆的・実質的な洪水対策、氾濫シミュレーションの技術開発
- 流域の総合治水計画に発展
以上のような成果をうみだすことができたと考えています。
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