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公開プロポーザル(事業提案型競争入札)

プロポーザル方式によるコーディネーターの選任
2001年、浜松土木事務所から「安間川 河川整備計画」の基礎となる「安間川 整備構想」を行政に代わって取りまとめる事業のコーディネーターが一般公募されました。

事業の背景

1.河川法の改正

1997年に河川法の改正によって、河川管理の自的として「治水」「利水」に、「河川環境」(水質、景観、生態系等)の整備と保全が加わりました。また、河川整備計画の策定過程に住民意見の反映が義務づけられました。

2.静岡県の取り組みの変化と従来の手法の問題点

静岡県では、公共事業において住民との協働また住民の参画をすすめる方向性を打ち出してきました。
事業の「透明性を確保」し、「住民意見の反映」を行うことで、「きめ細かな事業展開」や「質の高い管理」をめざしたからです。ところが、これまでの浜松土木事務所による住民意見集約の手法(説明会やワークショップなど)では、次のような問題点があがってきたそうです。

  1. 「意見集約が形式的」との批判
  2. 論点整理に時間がかかる
  3. 「ともに考える」場になりにくい
  4. 住民への周知の徹底不足
  5. 「縦割り行政」への批判

安間川での試み

静岡県は従来の問題点から、安間川では河川整備計画原案を示す前に、流域住民の意見をとりまとめた整備構想をつくり、これを整備計画に反映させていくことになりました。
計画段階のはじめの一歩に住民が関わるという公共事業としては全く新しいスタイルの試みです。
基本方針以前に市民による原案をつくるということが安間川の特色です。

<参考> 本事業との違いを比較してください。

  1. 吉野川資料館 河川法改正による計画制度の変化(外部)
  2. 静岡県土木事務所 住民意見の反映(外部)

主な委託事業内容

1.現況調査

現地調査を行うとともに資料の収集及び意見の集約をし、問題点・課題を抽出するとともに論点の整理を行う。

2.コンセンサス会議の運営

会議のメンバーとアドバイザーを推薦を行う。会議を開催し、安間川の現状と課題、望ましい姿、配慮事項を整理した書面とともに、利用や環境を配慮した川づくり構想図を作成する。

プロポーザル応募要項

N-Pocketの企画案 実施方針(提案書より)

「川を生活環境の一部として愉しむ人々を育みささえるしくみを創造する」

水辺が暮らしの一部にあることで日本人は暮らしを楽しみ、歌を詠み、恋をして、私たちの感性を豊かにしてきた。それが無ければ「万葉集」も「古今和歌集」も「奥のほそ道」も存在しなかったであろう。山紫水明の地であった環境に少しでも近づけることが、21世紀の極めて大きな課題である。安間川の冠水地域をなくすという業務の中核をなす課題を解決するには、この問題に関わる市民が多様な立場からこのテーマを共有することが不可欠である。

行政の課題ではなく、市民の暮らしをどのように豊かに整備して愉しい暮らしを享受するかという安間川を取り巻いて生きる人々の「幸せのものさし」を共有する過程をたのしく刺激的に創出して、この困難だがチャレンジングな課題を次のような市民と、多様な分野の専門家と連携して担っていきたい。

選考結果

応募10社(大手と地元のコンサルタント9社、NPO1団体)の中から、提案書と15分間のプレゼンテーションの審査の結果、N-Pocketが選ばれました。地域活動などの事情に詳しく、意見集約の過程が住民に判りやすい企画だったことが選考の決め手となったそうです。

  1. 地域の人材・団体を有機的につなげた地域密着型の企画
  2. 住民の視点に立った企画
  3. 意見集約の過程が住民の目に触れやすく、判りやすい企画