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2015

佐鳴湖公園魅力発掘事業

事業の概要

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日頃、ジョギング、ウォーキングなど健康づくり、自然観察、実に多くの人々が利用している佐鳴湖。季節のよい休日の歩道は人があふれるほどで、多くの市民に親しまれている場所です。
その佐鳴湖北岸にある計画段階と整備途中の3ヵ所の公園予定地について、公園の価値向上や投資の効率化・経費削減の2点を目標に、その隠れた魅力や活用、自主管理の可能性を探り、提案をしました。

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この公園については、平成15年度にワークショップが6回、平成19年度に計画検討会が4回開かれていますが、参加者のジェンダーバランスや年齢に片寄りがありました。そのため、今回は佐鳴湖の近隣住人、子育て世代がや障害のある人、子どもの遊びや居場所づくりに関わっている30~70代の男女を11名を対象とした個別ヒアリング、2回の意見交換会、現地視察を行いました。

提案と課題

3つのエリアについて、提案として以下のものがあがりました。

  1. 誰でもやりたいことができる場所
  2. 子どもの自発性・創造性を活かせる場所
  3. 世代間交流
  4. 日陰をつくる
  5. 芝生以外の選択肢
  6. ボールゲーム、ストリートスポーツ
  7. 火が使える・食べられる場所
  8. イベント会場
  9. 子どもの冒険あそび場
  10. 小さい子どもの遠足
  11. ものづくり・ワークショップの場

提案の実現については、広報や自主管理の方法、近所の住民の理解、年代ごとのすみわけ、安全の確保などの課題もあがりました。
また、小さな乳幼児から小中学生、高校生、大学生の「遊び場・遊び方・過ごし方」の様々な背景も浮き彫りになりました。佐鳴台から冨塚東岸周辺では、子どもたちが近所で自由に遊べる場所や機会が少ないことや、外国人や障害のある人たちも、佐鳴湖を様々な形で活用していることが見えてきました。
その結果、公園という公共のスペースを使うことで、子どもたちをはじめ、多様な人々の社会課題の解決に結び付けられないか、という発想が集まりました。

穴を掘ったり、音を出して遊びたい子どものニーズ、ボールやストリートスポーツでアクティブに動きたい若者のニーズ、きれいな環境で静かに過ごしたい高齢者のニーズ、それぞれ全く異なるものですが、場所や時間を棲み分ける形で共存の道を探る必要があります。逆に、そのようにニーズの異なる多世代・多様な人々が、それぞれの存在やニーズを理解する場、交流する場としての「公園」というあり方も必要かもしれません。

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市民参加の公園づくりのために

公園の利活用と言うと、まず「何をしてくれるの?」「これもやってほしい」という要望の声があがり、まだまだ「公園=行政がつくって管理するもの」という意識の強いことが伺われました。意見交換会でアドバイザーの木村智子さんが指摘した「ハードを作るのは行政だけれど、公園管理の予算は年々減っており、作った後の維持管理やソフトの部分を充実させるのは、利用者である市民が担う時代」という意識づけが、重要になっていくと思われます。
意見交換会の参加者は既に活動実践者であり、「公園を活用したい」という思いだけでなく、社会課題を意識しながらコーディネートができる人材として、今後の公園の利活用においてキーパーソンになっていくことが期待されます。

他の場所では禁止されているスポーツや子どもの自由で創造的な遊びといったチャレンジ的な提案を実現するには、近隣住民、特に高齢世代との対話の場づくり、社会的意義の説明や利害の調整も欠かせません。市民が自らコーディネートして新たな試みを展開していくためには、行政の柔軟な対応と、お互いの立場や強みを活かした協働が必要です。
このような公園づくりの試みが、新たな公園の利活用の手法として浜松市に普及していくことを願います。