第1弾 大人の社会科見学♪ バスツアー天竜編
日時:2016年9月26日(日)8:30~16:30
参加者:17名(1名部分参加)
ツアーのねらい
浜松市内のNPO法人数は、人口あたりで見ると天竜区が一番多い。過疎高齢化が著しい中山間地で、行政サービスでは解決しきれない地域課題が多いことが推測できます。しかし、天竜区は浜松の街中からは遠いため、交通手段やきっかけがないと足を運びにくいので、「大人の社会科見学」というテーマで気軽に行けるNPO現場ツアーを企画しました。
山間地のまちおこし、グリーンツーリズム、移住に関心のある人、天竜に行ったことがないけれど、NPOの活動に関心がある人を対象に、天竜の地域資源やNPOの活動現場を見たり、当事者の声を聞いたり、農業体験や情報交換から、ボランティアのきかっけをつくり、天竜地域のまちおこしを応援する機運を高めます。
スケジュール
浜松駅 8:20集合、8:30出発
二俣天竜駅 9:20集合、9:30出発
10:00~11:00 浜松市天竜区横川 百古里の茶畑(NPO法人OIKOS天竜 )
秋の茶摘み体験、茶畑や茶業のお話
11:00~11:10 歩いて移動
11:10~11:30 百古里庵
浜松市天竜区横川でのグリーンツーリズムの取り組みについてお話を聞く
11:30~12:10 そば昼食
12:10~12:40 バスで移動
12:40~14:00 春野文化センターで、NPO法人楽舎のお話と見学
浜松市天竜区春野町での農業、空き家紹介、まちおこしのお話
田んぼ、畑、アイガモ農法の見学
14:10~15:00 春野文化センターに戻り意見交換会、ふりかえり
15:00 春野出発
15:30 天竜二俣駅
16:30頃 浜松駅 解散
ツアーレポートは、N-Pocketブログ「大人の社会科見学 天竜ツアー~お茶とお蕎麦とアイガモと」をご覧ください。
参加者のアンケート(回答16)
■ NPOの活動現場訪問は
初めて 13、3回以上 3
■ 天竜の山間地に来たのは
初めて 8、2回目 2、3回以上 6
■ 天竜の山間地から、魅力として発信できるものは何だと思いますか
- 自然 11
- 伝統芸能文化 6
- 人 4
- 農産物、お茶 4
- 古民家 3
- 都市にはないもの
- 豊富な土地、新しく根付き始めるものと従来からのコミュニティ交流
■ 「NPO法人OIKOS」のお話・体験について
- 生産者の話が直接聞けて良かった。
- お茶の魅力がとてもよく伝わり、お茶をごくごく飲もうと思います。
- お茶農家の苦労が良くわかった。
- 山の荒廃と鹿など野生動物が里山に出てきて大変。農家の方の苦労。
- 知らなかった天竜の魅力を知ることができた。お茶を摘むことができた。
- 無農薬のお茶づくりの現場を知ることができた。
- コーディネート側の地域への真剣な思いを知った。
■ 「百古里庵」のお話について
- 御主人がとても努力されていることが分かり、とても興味深く、面白かった。お蕎麦もとても美味しかった。
- 都会から移住して19年、お店を作られたことが即ち住民の方々との関係性であるとわかった。
- 御主人のエネルギーとバイタリティに感服。そば最高でした。
- 様々な事業に挑戦されている話に驚いた。
- ワイン蔵の話が新鮮。通りすがりでは出会えないような店なのに、人がいっぱいなのは努力のたまものだと思う。
- 古民家の雰囲気とお蕎麦のマッチングがよかった。
■ 「NPO法人楽舎」のお話について
- 東京から来て6年でここまでの成果を上げられたことは、多くの方々を勇気づけたと感じた。
- アイガモのかわいさと活用、その後の事も考え深く思いました。(アイガモ関連 4)
- 農業者の苦労、工夫等すばらしかったです。
- お金や交通など非常に現実的な問題が聞けました。
- 移住希望されている方のために尽力されている様子が自然でよかった。
- 補助金の存在に重要性を感じた。
■ ツアー全体について
- 天候に恵まれ、楽しいツアーでした。
- 初めての天竜を色々な角度から見られて良かった。
- 初めての参加でしたが、多くの人との出会いが嬉しかったです。
- とても勉強になりました。面白いいろんな人の話が聞けました。充実した1日で参加して良かったです。
- 初めての知ったことばかりでした。
- 無料で参加させてもらい、申し訳ない気分。
- なかなか一人では得ることができない経験やお話が聞けてとても良かったです。
- 企画、行先がよかった。
■ このツアーは無料でしたが、お一人分のコストはいくらだと思いますか(食事代含まず)
- 1,000円台 1
- 2,000円台 2
- 3,000円台 3
- 4,000円台 4
- 5,000円台 3
- 8,000円台 1
- 10,000円台 1
- 15,000円台 1
平均 5,104円 でしたが、バスのチャーター、コーディネートなど人件費も含めると、1人あたり10,000円以上になります。
天竜ツアーの可能性、事業化について
■ ツアーの事業化について
参加者は40~60代が9割以上。広報から10日で満員〆切りになり、子連れの要望も多数あり、ニーズの高さを感じました。
他で似たようなツアーとしては、浜松市グリーンツーリズム交流会の「はままつ里山たいけん帖」で、2016年5月~10月に現地集合で市内の里山の体験メニューが31ヵ所であり、金額は300円~4000円/1回。浜北JCの「はまきた魅力体験ツアー」10月16日、4コースで各25名定員、金額は2000円~3000円。親子で参加できるコースはキャンセル待ちになったとのこと。NPO法人浜名湖クラブでは、10月の「北区まち歩き、直虎コース」が1000円、12月の「掛川まちあるき、天浜線で忘年会」が5500円。NPO法人新居まちネット他の「浜名湖おんぱく2016」では、10月24日~11月13日の現地集合の体験メニューが32種類、600円~4,500円で提供しています。
事業化も考えたツアーでしたが、山間地は道が細く、駐車場や設備も考えると、大型バス+大人数だと整備された観光地しか回れず、僻地にある小規模な現場を訪れるのは難しいことがわかりました。また、費用の面でも参加者が想定しているのが1000円~5000円であり、類似のツアーの相場もその程度の金額であることから、実費を賄えるような金額設定(1万円以上)は難しくなります。
さらに、2016年5月末に、NPOなどがボランティアを被災地にバスで派遣する「ボランティアバス」で、公募した参加者から参加費を直接集めるのは実費だけでも旅行業法違反として、観光庁から業者への委託など是正を求める通知が出ました。そのため、参加費を集める有償のツアーを行うには旅行業者を通さなければならなくなり、事業化はかなり難しいという結論になってしまいました。
■ 天竜へ行く、NPOの現場を知る機会の提供
機会の提供については大変好評でしたが、天竜区の面積が広く、道路状況があまりよくないので、複数の団体や現場を訪問するには距離と時間がかかり、1か所に集約するか隣接する地域でないと難しいという問題もあります。
それでも天竜区の魅力はたくさんあり、NPOの現場が初めての参加者が8割だったので、「天竜区×NPO」が呼び水となる可能性は高く、「浜名湖おんぱく」のような現地集合・解散型のイベントで、交通手段が不便な場所では参加者の自家用車乗り合わせなどの工夫があれば人が集まるのではと感じました。特に、お茶やお米などの農繁期には人手を必要とするので、農作業を体験+手伝うツアーを企業CSRを兼ねてPRしてみる、などのアイデアも湧きました。