社会への声
こうなったらいいな、という思いを伝えるために
「個人の思いや夢を社会的な力に変えていく試み」は、過去にも幾たびか繰り返されてきました。しかし、せっぱつまった問題が起こったときであったり、関心の対象が個別的であったりと、日常生活のレベルで、多様な市民や市民団体が手をつないで、地域社会のありように発言し、責任を取るしくみを育ててはきませんでした。
しかし、従来のように行政と企業だけに社会の舵取りを任せるのではなく、多様な価値観が用意された人間らしい豊かな社会を実現させるために多くのNPOが誕生しました。
「こうなったらいいな…」という市民の夢や思いは、共通の志を抱く人々と出会うことによって社会的な力に育ちます。自分たちの責任で住みやすい地域社会に変えていくためには、社会に声を出していくことが必要です。
N-Pocketにいっぱいつまった夢や思いを、「つなぎ・しらべ・しらせ・ささえ・そだてる」市民による共同事務所・シンクタンクとして、地域や分野を越えた市民の活動を支えるとともに、企業や行政とのパートナーシップづくりに努力して、新しい市民社会の実現を目指しています。
実施事業
■2010年
ザザシティ浜松西部パレット見直し問題
心のユニバーサルデザインという言い方がありますが、まさにそれを具現化した所がザザシティ浜松中央館5階にある西部パレットとその周辺の施設であると考えています。街中にある施設ゆえ多大な公的投資がされてはいますが、それに見合う市民力が育ち、多層のセーフティネットが構築されている段階だと考えられます。その西部パレットに対して見直す動きがあります。
N-Pocketから社会を見つめて
2010年4月7日から13回にわたって代表の井ノ上が静岡新聞夕刊一面のコラム欄「窓辺」を担当しました。
■2009年
NPO法人の会計基準をつくろう in 浜松
NPO法施行から10年、NPO法人の果たす役割に対して社会からの期待も大きくなっています。しかし、会計処理がばらばらで理解しにくく、社会からの信用を高めるために会計基準を市民の手で、という動きが始まっています。
提言 「中途障害の社会復帰を支援するために」(WAM助成)
高次脳機能障害、精神障害、難病などさまざまな障害を受け社会生活に変化が起きた場合、特に支援体制は大きな問題となります。
独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」の助成を受け、「中途障害者の実態調査および社会復帰支援」というテーマで活動をしました。当事者やご家族の方々にじっくりと現状の課題などを聞き取る実態調査をおこない、同時に直接の支援活動も行っていきました。さらに多様な支援グループとの情報交換の末、一緒に提言書を完成させ、浜松市議会、障害福祉課に提出しました。
外国人学校の児童・生徒を対象とした心とからだのヘルスケアに関する提言
外国人学校に通う子どもたちの豊かな余暇活動を勧め、自己表現力を高めるための「身体表現ワークショップ」、運動不足になりがちな子どもたちのための「栄養講座」や「エイズ講座」、またMAF浜松戸の協働事業「外国人学校検診会」を開催し、「外国人学校の児童・生徒を対象とした心とからだのヘルスケアに関する提言書」を作成しました(ファイザープログラム助成金)。
森林CSR協働提案書(浜松市委託)
2006年度におこなった浜松市との協働事業「NPOと企業との出会いの場の開催・CSR調査」の結果、翌年、CSR(企業の社会的責任)の一環として、森林をテーマにどんな取り組みができるのか、企業と行政、NPOが集い、その可能性をさぐり、最後には、「森林における市民協働及び企業の社会貢献を推進するための事業」において、「森林の恩恵を受けている浜松市民の皆様へ」と題して協働提案書を作成しました。
浜松市 Change!ハママツ2009年7月号「森林に関する企業のCSR活動」(浜松市サイト)
■2006年
ケアする人のための何でも相談会 in アンサンブル江之島(浜松市たねからみのり)
相談会という形で始めましたが、事前に福祉施設のスタッフや学校の先生、地域の民生委員さん、ヘルパーさん、障害者当事者団体の役員さん、サポーターさんなどへのヒアリングを実施し、当日はヒアリングの報告をもとに、関係機関が集まっての意見交換会を開きました。会議において、調査でわかった課題を共有することができ、行政においても、N-Pocketにおいても次への活動につながったため、「提言」活動として記しておきます。
■2005年
わかものたちの多文化共生全国交流会2005
将来に目を向け、外国人であるがゆえにぶつかるかもしれない壁を乗り越えるため、自分たちにできること、解決すべき課題について、話し合い、多文化なわかものたちからの提言がおこなわれました。
太田川に関する公開質問
「太田川の受水問題」について市民グループから意見広告がだされました。この問題が、自分たちだけでなく、次の世代の命にかかわる問題であることや、意見広告に示されたデータが科学的根拠に裏付けられたものであることから、議員の皆様と共に市民もこの問題について考えたいと思いました。
■2004年
議員と交流しよう
新しい公共の担い手という自負を持つNPOですが、法的な枠組みを後ろ盾に影響力をもつ議会の方が、圧倒的な力を持っています。私たちは、現場の声を政策に反映するために、議会と協働する方法を探ることにしました。
アート at ワーク
地球ボールという素敵なツールで、まさにコミュニティアートによる対話を通して市民と共に考えていく、相互交流的な活動を行ないました。安間川事業では大活躍をしました。
■2003年
わかものたちの多文化共生全国交流会2003
学校をやめてしまった友達や、悩んでいるこどもたちを励ましたい、日本人にも自分たちのことを知ってほしい、と交流会を開きました。そして、最後には、多文化なわかものたちからの提言が行われました。
ミューラルプロジェクト
外国籍の高校生たちと「あきらめないで」「夢をかなえよう」というメッセージをこめて、巨大な壁画を描き、次世代の多文化共生のリーダーを育てました。コミュニティ・ペインティング・デイには、日本のわかものたちも、外国から来た若者たちも一緒に心を合わせて大きな壁画を完成させました。
■2002年
外国人集住都市会議への提言
13の市民団体が、行政・教育関係者・当事者(保護者)・市民が、建設的に対話し、連携する重要性を確認して、5項目について提言することにいたしました。ポルトガル版もついています。
■1999年~
NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会の活動
連絡会は1999年に設立された全国41のNPO支援センターの全国ネットワークです。N-Pocketもメンバーとして参加しましたが、NPO法改正や認定NPO法人制度の改正について、NPO側の意見をまとめたり、各地での制度改正の運動を展開しました。2009年6月には、「特定非営利活動法人制度に関する要望書」をまとめ、各党に提出、同年10月には「NPO法人制度の税制改正に関する要望書」を与野党、内閣府等に提出した会です。
その他、通年で行っている活動
各種審議会・委員会などへの参加
スタッフがさまざまな会へ参加し、意見をのべています。