太田川に関する公開質問
私たちは、太田川の受水に関して疑問をもち、
浜松市議会議員へ公開質問状をだしました。
「太田川の受水問題」について市民グループから意見広告がだされました。この問題が、自分たちだけでなく、次の世代の命にかかわる問題であることや、意見広告に示されたデータが科学的根拠に裏付けられたものであることから、議員のみなさんにこの問題に関するご判断を伺い、議員の皆様と共に市民もこの問題について考えたいと思っています。
「安全で魅力的な快適環境都市」を標榜する浜松市が、合併を果たし、さらに政令指定都市をめざす今日、議会の協力を得て、自立的な判断を下せるかどうかについて市民は深い関心を寄せています。そこで、浜松NPOネットワークセンター、サンクチュアリジャパン、浜松環境ネットワークの三団体は、2004年12月18日、浜松市議会議員の皆様に公開質問状を送付させていただきました。
公開質問状
浜松市議会議員の皆さまへ
2004年12月18日
特定非営利活動法人 浜松NPOネットワークセンター 代表 山口祐子
サンクチュアリジャパン 代表 馬塚丈司
浜松環境ネットワーク 代表 岩見和顕
安全で魅力的な快適環境都市・浜松をつくるため、議員のみなさまが、日々、議会活動にご苦労なさっておられること感謝申しあげます。
さて12月5日・6日、中日新聞及び静岡新聞紙上に、ネットワーク「安全な水を子どもたちに」・グループ「太田川水未来」から出されました意見広告「浜松市の皆さん、それでも太田川の水を飲まれますか?」を読み、浜松市民として大変な驚きを感じました。
インターネットにより様々な情報が行政のホームページから提供されるようになった現在ではありますが、まだまだ私たち一般の市民のまちづくりに関する勉強不足を痛感いたした次第です。また、このような意見広告が市民からだされたことを非常に心強く感じるとともに、私たちのまち・浜松をどんなまちにしたいのかというひとり一人の気持ちを吸い上げて市議会に臨んでおられる皆様のお考えと判断を、広く市民に知らせることも大切だと感じました。
飲料水の問題は私たちだけではなく、次の世代の命の問題であり、これから自立性ある政令都市をめざしてスタートを切る新浜松市の姿勢を問う重要な施策であることから、意見広告の提示する問題点について議員の皆様に質問をさせていただき、皆様の優れた判断に期待を寄せたいと思っています。
ご多忙中のこととは存じますが、私たちのまちをどうしていくべきなのか、市民としての学習機会をふやし、学習内容を深めるためにも、ぜひご協力をお願いいたします。
回答は、封書、FAXまたはE-mialで12月26日(日)までにお願いいたします。(なお、この質問状は公開の形をとっていますので御回答の内容についても公開の形をとり、新聞、各団体の情報誌、およびインタ一ネットに載せますことをご了解ください。無回答の方はお名前とともに「回答なし」と記載させていただきます。)
公開質問項目
1、太田川の水質について
太田川からの取水点は、下水による汚染を示す大腸菌の密度は天竜川の50倍から100倍以上であることがわかりました。
*浜松市上下水道部中間報告の「天竜川原水H15年度平均」と静岡県企業局水質検査結果報告書(取水点原水H8~H13)との比較
取水点の位置は、森町の6000人分の生活排水、産業排水、水田からの農薬を含む場所で、その地点の水質は淀川以上に悪化しています。
汚染がひどいということはこれを強力に塩素消毒して浄水化する必要があるため、当然発ガン性物質トリハロメタンの生成率も高まります。また、養豚場からの排水も流れ込みますので浄水化されても消滅しないE型肝炎ウィルスの問題も残ります。有害物質を多く含む水を摂ると、細胞の膜が目づまりをおこして体の中に有害物質が蓄積され、その結果としてあらゆる病気を引き起こすことになります。
(1)昭和54年より浜松市水道部浄水課が担当課となって、水道利用者が安心して飲むことができる良質な水道水の安定供給を図ることを第一の目的として「安心して飲めるおいしい水の供給事業」が継続して実施されています。しかし、このような川から受水すれば、市民の健康を維持するために安全な水を確保しようとしている担当部局の苦労を水の泡にしかねません。
汚染のひどい太田川の水でも浄水場を通せば、安全な水として市民に提供できるようになるとお考えですか。
- 提供できる。その理由
- 提供できない。その理由
(2)太田川ダムの240倍の流量がある天竜川のさらに東にある太田川から取水するとしても、現在の取水点の場所は妥当だと思われません。なぜ取水点が森町の上流に設けられないのか、その理由をご存知でしたらお教えください。
- 理由はしらない。
- 理由は知っている。取水点を上流に設けなかった理由は、
2.井戸水源の確保について
建設委員会では、「遠州地区で井戸水源を開発するには、太田川受水をした上で、なおかつ水源不足になるときのみ県知事の許可で開発が許される」という話がありました。
*12月8日建設委員会上下水道部次長報告
意見広告には水あまりがあるにも関わらず、稼動中の井戸を減らして太田川からの水を買う動きがあることが述べられています。
*ネットワーク「安全な水を子どもたちに」意見広告
水に関するライフラインの確保について考えると、表流水に依存する大規模公共水道は、切迫しているとされる大地震の災害やテロ等で水源や送水管の一部に被害を受けるとライフライン全体が断たれる危険がありますが、井戸はその点地震に強く、公共水道の渇水・断水時にもライフラインを確保すると言われています。
(1)浜松市上下水道部水道工事課が、浜松水道事業計画に基づいて「安定的な水道用水の確保事業」(平成12年度~平成22年度)によって豊西と半田に深井戸を整備しています。16年度の事業評価表において平成18年度に半田1号井築造工事が予定されていることがわかりましたので、市としての方針は続けて新規水源の確保に尽力されていることが理解できました。
周辺自治体では、特に防災意識の高まりから井戸の確保について真剣な討議がされている現在ですが、浜松市においても井戸の確保は重要なことであるとお考えですか。
- 重要でない。その理由
- 重要である。その理由
(2)16年度の事業評価表の中に書かれていた方針にも関わらず、井戸を減らすという動きがでてきたということですが、これは現浜松市の地下水規制地域でない市町を含む新浜松市においても実際に稼動している井戸からの取水量を減らしていくことを意味しているのでしょうか。
- 知らない。
- その事実はない。
- 現在稼動している井戸からの取水を一部取止めるが、渇水を含む緊急時には利用できるようにしておく。
- 現在稼働している井戸からの取水を一部止め、止めた井戸は今後渇水を含む緊急時でも利用できないようになる。
3.コストについて
新浜松市における水需要予測の基礎資料として、「合併協議会が見直した統一の人口推計」を用いず、その予測よりも上回る人口推計を用いているため水需要予測の数値が過大になっています。
一日最大使用量の算定についても、浜松市、浜北市、天竜市、細江町、三ヶ日町、引佐町がそれぞれ記録している使用水量のピーク時が、各自治体により異なっているのに、単純にその最大使用量を合算しているために、予測値が過大になっていることがわかりました。
県議会での答弁資料によれば、企業局は平成21年から25年の統一価格として、中遠系、湖北・湖西系、太田川系をミックスした平均統一価格45円/トンを提示していますが、これは中遠系、湖北・湖西系の33円/トンと太田川系153円/トンのミックスと試算されています。
*12月8日建設委員会上下水道部次長報告
行政評価システム等によって常に市民に対する説明責任と健全な行財政運営をめざしている浜松市は、「合併協議会が見直した統一の人口推計」を用いて新浜松市としてさらに合理的にさまざまな事業計画がなされていくと信頼しています。
(1)上下水道部の水需要量算定において「合併協議会が見直した統一の人口推計」を使っていないことについてご存知でしょうか。
- 知らない
- 知っている
(2)新浜松市の重要な事業を計画する際の人口推計のデータは、「合併協議会が見直した統一の人口推計」 だと思われますか?
- そう思う
- そう思わない どのデータを使うべきだと考えますか。
(3)上下水道部の一日最大使用量の算定が合併効果を反映していると思いますか。
- そう思う
- そう思わない どのように算定すべきだと考えますか
(4)太田川の水を使用すると県からの受水の料金は1トン当たり45円ですが、受水しないと33円ですむということです。受水する場合としない場合の料金を比較検討すべきと思いますか?
- 比較検討すべき
- 45円なら良い
- 分からない
ご回答ありがとうございました。12月15日浜松市議会では天竜川・浜名湖地域の合併議案が、徹底的な行財政改革推進を求める熱意ある皆さんのご意見を受けながら可決されたことが新聞等で紹介されました。
私たち市民も快適に暮らせるまちづくりのために市民としての責任を果たしていきたいと思っています。どうぞ、議員の皆様も素敵な浜松のまちづくりのために市民の代表として施策の本質を見極めてくださるようお願いします。
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